という記事を読んだ。


自分的に要約すると、
・庵野氏は作品に対する姿勢と思い入れが半端ない
・しかし物語には無頓着
・ゆえにディティール勝負になる
・外堀埋めるための設定などを細かく作る
・いろんな作品からいろんな要素をパクッてる
・要するに中身がないから終わらない(終われない)
という感じに受け取りました。

押井氏が言ってることは、概ねそのとおりだと思います。
内容的には批判色がやや強い感じがしましたが、庵野監督自体をdisってるのではなく、割とドライにエヴァという作品を分析してるんだなと。
押井氏ご本人はほとんどエヴァを見ていないようですが、その上でこういう所感を持てるのは凄いなと思いました。

でも、
「その中身のない空虚こそがエヴァンゲリオンという作品の魅力である」
と思うんです。

作品に重厚なテーマを持たせて、それを観た人が何かしらのメッセージを感じることができる作品はもちろん素晴らしいと思います。
でも、それはあくまで「成功」した場合のみです。ここで言う成功は観客動員とか興行収入とか、そういうのではなく、メッセージなりテーマなりをきちんと視聴者に届いたかどうかという意味です。
これが成功していない作品の方が実際はほとんどで、テーマとかメッセージ性とかだけが一人で歩く作品ほど、見ていて不快なものはないなと思います。

むしろ、エヴァのように押し付けがましいテーマやメッセージなどはないけど、練りこまれた小難しい各種設定や、これまでの数々のアニメが産み出した名シーン、名台詞からのオマージュ、押井氏の言葉でいうとステロタイプ、そしてなにより庵野監督の個人的なやりたい放題感などなど、肝心の部分を見る人に委ねるタイプのほうがいい場合もあるんじゃないでしょうか。

ちょっと違うかもしれませんが、個人的には富野由悠季監督も見る側に委ねるタイプかなと思っています。富野さんはテーマとかメッセージはメチャクチャあると思うんですけど、それを押し付けない。ていうか、逆にもう少し説明が欲しいくらいに感じるくらいですけどw

話を戻しますが、自分的なエヴァの魅力はまさにその「空虚」なところであり、見た人それぞれが自分なりのエヴァを持てるというか、それでいいんですよね。いや、それがいいんですよね。

中身の有り無しが重要なのではなくて、その作品によってどれだけの人が楽しめたのかっていうのが今のアニメには必要な気がします。
中身があって、映画とかの収入も良くて、商業的には成功しているけど、つまらない作品はいくらでもありますよね。

人間だって実に空虚であやふやなものだと思うんです。
でも、それを形成する側部分でその人の個性が作られる。
重要なのはその個性の部分だという意味では、エヴァはなんか人間の本質というか真理自体をあらわしていると、言えなくもないかもですね。
(そりゃ言いすぎかw)